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人口減少、高速道の整備、天災……ほとんどの路線が赤字。どう存続させるべきか?

鉄道研究の第一人者が、計17路線の現状と未来を徹底研究!

 北海道の鉄道は、人口減少、高速道の整備、台風被害などで乗客が激減し、札幌近郊の一部を除くほぼ全線が赤字となっています。JR北海道は約1200キロもの路線を「自社だけでは存続できない」とし、廃線を含めて沿線自治体と協議しています。

 JR北海道の赤字線区を現状のまま放置しておくと、やがて80%の路線が廃止になり、残るは札幌近郊区間と北海道新幹線だけになってしまう、と著者は言います。北海道の鉄道は今後どうなってしまうのでしょうか?

 小社刊『全国鉄道事情大研究』シリーズでこれまで全国の鉄道事情を解説してきた著者が、本書【北海道篇】では当地の鉄道の「今」を取材し、現実を踏まえた上での「路線存続のための具体案」を多数提起します。今年3月の新ダイヤを踏まえ書き下ろした鉄道ファン、地元北海道の方々、鉄道関係者、不動産関係者、必読の本です。

  • 北海道新幹線(新函館北斗―旭川、全区間未開業)──国交省の試算、東京─札幌間「5時間1分」。これでは利用者は望めない。北海道一部区間の踏切除去、道路と線路の立体交差などで、5時間の壁を越えよ!
  • 日高本線──海岸沿いの鵡川(むかわ)─東静内間の数か所が波浪被害で運休中。復旧困難と決めつけず、鉄道と道路の両方を走れる「DMV(デュアル・モード・ビークル)」で運行を再開せよ!
  • 千歳線──札幌近郊区間として、また、新千歳空港と札幌を結ぶ鉄道として利用されており、本社部門の管理費を除けば黒字。各種特急と快速「エアポート」が頻繁に運行。苫小牧─南千歳間も堅調!
  • 留萌(るもい)本線──留萌─増毛(ましけ)間が廃止、残る区間もJRは廃止を検討。無料の高速道路が並行する中での活路は、JRが線路を保有したまま、大手旅行会社が自前で「観光用車両」を走らせるしかない。
  • 宗谷本線──豪雪地帯で除雪費が莫大。黒部渓谷鉄道のように、冬期は全面運休し、雪解けを待って観光列車を走らせよ。車両には、豪華なクルーズ列車や、特急、のんびり旅用の一般列車などを。

──他に、函館本線、室蘭本線、札幌地下鉄、札幌市電、札沼線、根室本線、富良野線……などなど。

川島令三(かわしま・りょうぞう)

1950年、兵庫県生まれ。芦屋高校鉄道研究会、東海大学鉄道研究会を経て「鉄道ピクトリアル」編集部に勤務。現在、鉄道アナリスト、早稲田大学非常勤講師。小社から1986年に刊行された最初の著書『東京圏通勤電車事情大研究』は通勤電車の問題に初めて本格的に取り組んだ試みとして大きな反響を呼んだ。著者の提起した案ですでに実現されているものがいくつかある。著書は上記のほかに『全国鉄道事情大研究(シリーズ)』『関西圏通勤電車徹底批評(上下)』『なぜ福知山線脱線事故は起こったのか』『東京圏通勤電車どの路線が速くて便利か』『鉄道事情トピックス』『最新東京圏通勤電車事情大研究』(いずれも草思社)、配線図シリーズ『全線・全駅・全配線』、『日本vs.ヨーロッパ「新幹線」戦争』『鉄道配線大研究』(いずれも講談社)など多数。

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