草思社

書籍詳細

重要証人
―― ウイグルの強制収容所を逃れて
新疆ウイグル自治区の強制収容所から脱出した女性の手記。少数民族に対する拷問や洗脳などの想像を絶する実態を、2018年に脱出後の法廷で証言した勇気ある証人。
ISBN 978-4-7942-2526-9
定価 2,200円(本体2,000円)
判型 四六判
頁数 352頁
初版刊行日 2021年08月06日
原書タイトル Die Kronzeugin
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サイラグル・サウトバイ
新疆ウイグル自治区出身のカザフ人。1976年、イリ・カザフ自治州に生まれる。元医師・幼稚園園長。2017年11月から翌年3月まで新疆の少数民族を対象とした強制収容所に連行され中国語教師として働かされる。収容所から解放された直後、今度は自身が収容者として収監されることを知って故国の隣国カザフスタンに逃れるが、不法入国の罪に問われ同国で裁判を受ける。この裁判で中国政府が「職業技能教育訓練センター」と称する再教育施設の実態と機密情報について証言、裁判は一躍世界的な関心を呼び、ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥングなどの主要メディアで報じられる。カザフスタン政府は亡命申請を却下、滞在許可が切れる直前の2019年6月に国連のとりなしでスウェーデンに政治亡命。現在、安住の地となったスウェーデンで夫、娘、息子の四人で暮らしている。中国の強制収容所の実態については現在も積極的に発言を行い、その活動に対して2020年にアメリカ国務省から国際勇気ある女性賞(IWOC)、2021年にはニュルンベルク国際人権賞が授けられた。
アレクサンドラ・カヴェーリウス
ドイツのフリージャーナリスト。多数の有力誌に寄稿するほか、政治問題に関するノンフィクションを刊行して高い評価を得ている。主な著書に、ノーベル平和賞の候補者に繰り返し選ばれているラビア・カーディルの半生を描いた『ウイグルの母 ラビア・カーディル自伝――中国に一番憎まれている女性』(武田ランダムハウスジャパン)がある。本書はサイラグル・サウトバイとの何度にもわたるインタビューに基づいたものである。
秋山勝
翻訳者。立教大学卒。日本文藝家協会会員。訳書にドイグ『死因の人類史』、コヤマ、ルービン『「経済成長」の起源』、ホワイト『ラザルス』、サウトバイ『重要証人』、ミシュラ『怒りの時代』、ローズ『エネルギー400年史』、バートレット『操られる民主主義』(以上、草思社)、ウー『巨大企業の呪い』、ウェルシュ『歴史の逆襲』(以上、 朝日新聞出版)など。
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