王育徳
1924年、台湾台南市生まれ。旧制台北高等学校を経て43年10月、東京帝国大学文学部支那哲文学科入学。翌年、疎開のため帰台。49年、日本へ亡命。50年、東京大学に再入学。言語学を専攻し、台湾語研究の第一人者となる。60年、東京大学大学院博士課程を修了。文学博士。明治大学商学部教授、東京外国語大学講師(台湾語講座担当)ほか、諸大学で多数講義をもつ。60年、台湾人留学生らとともに「台湾青年社」を創設、機関誌『台湾青年』を発行、台湾独立運動に挺身した。75年、「台湾人元日本兵士の補償問題を考える会」の発起人となり、台湾人元日本兵士の戦後補償問題の解決に奔走した。85年9月9日、心筋梗塞のため死去。著書『台湾語常用語集』『台湾語入門』『台湾海峡』『台湾語の歴史的研究』など多数。64年刊行の『台湾―苦悶するその歴史』は、2015年に英訳版『TAIWAN: A HISTORY OF AGONIES』が台湾・前衛出版社から刊行された。2018年、台南市により市内に「王育徳紀念館」が設立された。