大村智
化学者。日本エッセイスト・クラブ会長。1935年(昭和10年)7月12日、山梨県韮崎市生まれ。北里大学特別栄誉教授、学校法人女子美術大学名誉理事長、韮崎大村美術館館長。微生物の生産する天然有機化合物の研究を専門とし、50年以上の研究生活を通して約520種類の新規化合物を発見。うち26種類が医薬、動物薬、研究用試薬として実用化され、感染症などの予防や撲滅、さらに生命現象の解明などに貢献している。そのうちの一つであるイベルメクチンは、オンコセルカ症(河川盲目症)やリンパ系フィラリア症、糞線虫症、疥癬といった寄生虫感染症の多くを予防・治療する特効薬となった。その業績が評価され、2015年、イベルメクチンを共同で開発した米国メルク社のウィリアム・キャンベル博士とともにノーベル生理学・医学賞を受賞。著書に『人をつくる言葉』『人間の旬』(ともに毎日新聞出版)、『ストックホルムへの廻り道 私の履歴書』(日本経済新聞出版社)、『縁尋機妙』(致知出版社)などがある。