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道路から見える、動物たちと人間の未来とは

道路は、物流を拡大し人類の文明に大きな進展をもたらしました。しかしその一方、動物たちから見れば、ロードキルや生息地の分断など、深刻な被害を与える存在となっています。
本書は、道路生態学という学問、つまり道路が生物や自然環境にどれほどの変化を与えてきたのかを浮き彫りにし、動物と人類にとってのあるべき道路の未来を模索します。
道路が生き物たちに与えてきた具体的な影響には、以下のようなものをあげることができます。
シカ : ドライバーの最大の脅威となっている
ピューマ : 道路に囲まれた「孤島」は自然な繁殖ができず、過酷な生存競争を強いられている
カエル : 数のうえで最大級の被害を被っている。人力でバケツリレーで救出している
カメ : 1匹につき「間接的利用価値」で約3000ドルの損失を被っている
ワラビー : 道路で死んだ親の袋から、子どもがしばしば見つかる
アリクイ : ブラジルでは悪い迷信があり多くの被害を被っている
シャケ : 欠陥のある暗渠のせいで道路にまであふれかえる
チョウ : 直接轢かれなくとも、車がすれ違う風ですら傷つく
ハゲワシ : 道路沿いの死肉にむらがって繁殖している
動物たちにこれだけの甚大な影響を与えている一方で、人間の中にも、動物たちを救おうとする人たちが現れます。動物たちの移動のためだけの横断路を建設したり、道路を剥がして自然に戻したりする人々が登場しますが、なかでも動物孤児のケアラーについては、道路が人間の心も苦しめていることが痛切に語られています。
著者は、ビーバーとその熱烈なファンに取材した『ビーバー 世界を救う可愛いすぎる生物』で、ビーバーの驚くべき能力に迫りましたが、本書ではさらなる飛躍を見せていると言えます。
人間にとっても、動物にとっても、移動するということはほぼ生きていることと同義といえるくらい大事なものであるということが本書を読むと分かります。そして、それぞれの道が交差する時に問題が生じるのです。それを私たちが意識的に解決していかない限り、問題がなくなることはありません。本書を読んで、あるべき道路の未来を考える一助となれば幸いです。
(担当/吉田)
